バイポーラによるトランジスタ

次に、もう少し複雑な構造により、整流でなく増幅作用が得られることをみていきます。

そのためにはn型~p型~n型という3連構造が必要です。

特に増幅率を高めるために、間のp型をできるだけ薄くする必要があります。

p型~n型~p型でもほぼ同じ理屈で増幅は説明できるのですが、ここではより一般的なn型~p型~n型すなわちnpn型でみていきます。

この場合、主たるキャリアは自由電子です。

npn構造の中で、そのキャリアが流れ始めるn型半導体をエミッタ、キャリアを流れ終わる(集める)n型半導体をコレクタといいます。

電子は電位の高い方に向かって流れますから、npn構造全体に電圧をかける時、マイナス極に近い方がエミッタ、プラス極に近い方がコレクタです。

また、真ん中の薄いp型半導体をベースといいます。

ベースをどこともつながずに、エミッタをマイナス極、コレクタをプラス極につなげるだけでは、電流は流れません。

前章で述べたように、エミッタとベースの間には、p型半導体であるベースが低い形で内部電界が発生するからです。

つまりエミッタの自由電子は、高電位の側にいきたがりますから、その電界を乗り越えられません。

いったん乗り越えれば、もっと電位の高い外部プラス電極が待っているというのに。

しかしベースを、エミッタよりやや高い電位につなぐと、状況が変わってきます。

エミッタとベースの関係を見ると、前者がn型でマイナス極、後者がp型でプラス極ですから、これは順方向電圧であり、前者から後者に自由電子が移動します。

つまりその反対方向に電流が流れます。

その流れ込んだ自由電子ですが、一部はベース内の正孔とぶつかって消滅し、一部はベース端子から外に流れます。

しかしベースは薄いので、正孔とぶつかるのはごく一部ですし、またコレクタ側にもっと高い電圧がかかっているので、結局大多数は、エミッタ端子から外に流れます。

このベース端子から外に流れる電子は、入力電流信号としてコントロールできます。

エミッタからみたベースの電位は、入力電流がある程度以上ならほぼ定数(0.7V程度)です。

一方エミッタ端子からコレクタ端子に流れる電子(エミッタから外に流れる電流)は、エミッタからみたコレクタの電位が一定以上ならそれほど変わらない一方で、ベース端子から外に流れる電流とはほぼ比例関係にあります。

そしてその量は、エミッタ端子から外に流れる電流の方が圧倒的に大きいのです。

というわけで、ベース端子から外に流れる電流を入力として与えることで、それが増幅できるわけです。

ただし入力電流レベルがきわめて大きい時や、外部抵抗がある程度大きい時には、この比例関係は崩れてしまいます。

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