いろいろなASIC、そしてASSP

前章で述べた「オーダーメイド」の良さを最大限に活かした半導体デバイスがASICです。

ASICとはApplication Specific ICの略で、まさに特定のアプリケーションのために、特化したIC(LSI)を設計・製造するものです。

たとえばオーダーメイドの衣服を考えればわかるように、その目的(着る人)に合わせて作るのですから、高質で使いやすいものができるのは当然です。

その一方で、そのための設計費は丸々負担しなければなりませんから、かなりぜいたくなデバイスといえます。

ASICの設計費のことを特にNRE(Non-Reoccurring Engineering)と呼びますが、それが1億円以上というのもごく普通です。

ひとくちにASICといってもさまざまなレベルのものがあります。

完全にフルカスタムのものが一番純粋なASICといえます。

またセミカスタムでもセルベースASICまたはスタンダードセルASICと呼ばれるものは、トランジスタの大きさはある程度規定され、また標準的機能ブロックも使われますが、それだけでなく個別の論理ブロックを使うこともあり、オーダーメイド色が強いといえます。

オーダーメイド色が強いほど、品質もNREも高くなります。

逆にオーダーメイド色が弱い代表はゲート・アレイです。

これはトランジスタとしては完全に作りこんでおき、その間の配線のみをカスタマイズするというものです。

NREは低く設計期間も短いのですが、性能はそれほど高くないのが普通です。

ゲート・アレイの一部を独自のトランジスタに置き換えたのがエンベデッド・アレイと呼ばれるものです。

またクロック回路をはじめとした汎用機能ブロックをできるだけ用いてNREを小さくするストラクチャードASIC(別名プラットフォームASIC)というものもあります。

ASICと似た発想で始まりながら、オーダーメイドではなく、ある程度機能を汎用にしてその分野全体で使えるようにしたのが、ASSPすなわちApplication Specific Standard Productです。

ASSPはASICの一種であると考える場合もありますが、オーダーメイドでないという意味で、図ではそうしませんでした。

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