デジタルICの基本機能

クロックに伴う時間遅れなどが入ってくる同期回路の場合は、状況がやや複雑になります。

たとえば図のような点線で囲まれた回路を考えましょう。

「R」と書いてある素子は、レジスタ(D型フリップフロップ)と呼ばれるもので、簡単にいうとあるクロックサイクルにおける出力値は、その1つ前のクロックサイクルにおける入力値となります。

回路全体は2ビット入力1ビット出力ですが、これは奥行き2ビット間口1ビットの普通の非同期メモリで置き換えることはできません。

というのは、1つ前のクロックサイクルの値も反映されるからです。

しかしこの場合でも、1つ前のクロックサイクルにおける入力Aの値をa、1つ前のクロックサイクルにおける入力Bの値をbとおくことで、図の右側のような入出力関係が得られます。

すなわちデジタルICの基本機能というものは、過去の入力値まで含めて考えたアドレスに対する、メモリ出力という考え方をすることが可能です。

メモリというとROMとかRAM、あるいは揮発性とか不揮発性とかいった分類、さらにフラッシュメモリのような新しい技術まで、いろいろな概念が関わってくるので、ここではこういったメモリ機能をルックアップテーブル(LUT)と呼ぶことにします。

まとめると、デジタルICの基本機能というものは、あらかじめ決められたデータにしたがって、入力のビット列から出力のビット列を得るLUTとして表現できるものです。

もちろん常に実際に、あらかじめデータを用意してテーブル化するというわけではありません。

あくまで両者は論理的に等価という意味です。

デジタルICの内部で値をずっと蓄積していくような機能の場合、「過去」を無限にさかのぼって現在の値に反映させる必要があります。

その意味でも実際にLUTとしてデータを用意するというのは現実的ではありません。

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

« 非同期論理回路とメモリ | ホーム | デジタルICの付加機能 »

このページの先頭へ