ASICの牙城に迫るFPGA
ASIC、特にフルカスタムASICやセルベースASICは、ある目的のためにきわめて高度に最適化されてパフォーマンスが高く、チップ面積も小さく、消費電力も抑えられるのが普通です。
ただしオーダーメイドですから設計費用などがとにかく高く、しかもそれはデザインルールが細密化すればさらに増えます。
確定した機能のLSIを大量に作るのであれば、そのメリットは揺らぎませんが、もう少し小回りの利くデバイスが求められる場合が多いのも事実です。
そんな中、1990年代からFPGA(Field Programmable Gate Array)という素子が、勢力を拡大しています。
PLD(Programmable Logic Device)の一種で、LUTや論理素子や同期レジスタなどからなる論理ブロックが用意されています。
論理合成ツールや配置配線ツールなどを用いて、ユーザがその論理ブロック間をプログラムで自由につなぐことで、幅広い機能を実現しています。
しかもそのプログラムでは、ASICの設計で使うHDLもほぼ同じように使えるので、エンジニアにとって敷居が低いわけです。
ASICのNREの大きな割合を占める、マスクパターンのデザインや実際のマスク作成などが不要になります。
ただしASICに比べればやはりパフォーマンスや消費電力に難がありますし、クロック周波数をみきわめるのがやや難しく、場合によっては設計後に思うような結果が得られない、といったデメリットもあります。
基本的には、量産度が低い時にFPGAで高い時にASICと棲み分けられるべきものですが、ASICのNREの高騰、FPGA技術の進歩、製品の多様化などに伴い、FPGAがじりじりと押しているのが現状です。
一方このFPGAを、ASICの設計時の高速シミュレーション・ツールとして用いる動きもあります。
それによりASICのNREが下がれば、これは理想的な共存といえるかもしれません。
またFPGAとCPUとを混載させたチップもあります。
FPGAは現在のところ、アルテラやザイリンクスなど、米国のメーカーがほぼ一手に作っています。


