システムLSI~SoCとIPコア
ムーアの法則そのままに、ほぼ3年で4倍というペースで半導体の集積度が高まってきています。
これがメモリの容量やプロセッサの計算能力など、個々の半導体性能が向上に結びついているのは確かです。
しかし半導体技術の進歩がもたらすものはそれだけではありません。
従来は別個のチップとして分散させざるをえなかったさまざまな機能が集積され、1つのチップに載るようになってきています。
こうして出現したのがSoC(システム・オン・チップ)あるいはシステムLSIです。
前章で、メモリやI/O機能を1チップの中に取り込んだMPUをMCUと呼ぶ場合があると述べました。
このMCUは、見方をかえれば最も簡単なSoCといえます。
ただ通常SoCというと、MPUまたはCPUやRAM、ROM、I/O機能などはもちろんのこと、DSP的な機能、それにユーザが指定する独自のロジックなどを含むものです。
ユーザのロジックが入るという意味では、ASICの発展形とみることもできます。
さらにアナログ的な要素まで含んだり、表示器やセンサのようないわゆる信号処理を超えた特別機能を備えたりもします。
その意味ではまさに1つのチップが1つの装置ともいえます。
SoCが一番上手く利用されたのが、デジタル家電という領域です。
家電ですから本格的な処理能力はともかくとして、とにかく小型化できなければならないし、低消費電力性も求められます。
そんな中で1個あたりのLSIの価格は多少高くても、チップ数を減らせるSoCは最適なのです。
半導体のそれぞれの機能ブロックを知的資産として流通させるIPコアという考え方も、このSoCと密接に結びついています。
SoCと似た概念でSiPというのがあります。
これはシステム・イン・パッケージで、システムを1つの半導体パッケージに入れてしまおうということです。
1つのパッケージには複数のチップを入れることができますから、SoCはSiPであるとはいえますが、逆にSiPやSoCだとは必ずしもいえません。
ただ、発想や応用分野としては、近いといえます。


