半導体デバイスの全体像

8章までで、増幅を中心とした半導体の動作原理を一通り説明しました。

こういった性質を利用して、コンピュータや電気機器、産業用装置など非常に広範に使える部品が、半導体デバイスといわれるものです。

1章でも述べたように、こういった半導体デバイスを略して半導体とのみ呼ぶこともよくあります。

本資料ではできるだけ、半導体デバイスという呼び方をします。

最も代表的な半導体デバイスは、デジタルICと呼ばれるものです。

IC(集積回路)とはIntegrated Circuitの略で、さらに集積度を高めたLSI(Large Scale IC)などを含むものとします。

デジタルICとは固定した定義があるわけではないのですが、ここでは以下の意味です。

デジタルIC:デジタル電気入力からデジタル電気信号出力を生み出す、半導体を用いた大規模回路デバイス本資料でも、次章以降ではデジタルICを中心にさらに詳しく述べていきますが、とりあえずこの章ではデジタルIC以外の半導体デバイスについて概観しておきます。

まずICについてですが、上記のデジタルICの定義からわかるように、半導体デバイスのうち、電気的入力(時系列的信号のほか電源やクロックも含む)から電気信号出力を生み出すもの、という意味で使っています。

おことわりしたようにこれが普遍的な定義だというわけではありません。

デジタルICに対して、当然アナログICというものがあります。

これは入力と出力の一方または両方が、アナログ電気信号ということです。

両方がアナログの場合、特にリニアICと呼ばれるものもあります。

A/D変換やD/A変換を行うICも、ここではアナログに含めています。

逆にいえばデジタルICとは、アナログ的な要素をまったく含まないICです。

こういったデジタルまたはアナログのIC以外の半導体デバイスもあります。

たとえば単体で売っているトランジスタやダイオードもその1つです。

これらはディスクリート部品と呼ばれることもあります。

また最近特に注目されているのは、電気エネルギーを光エネルギーに変換するLED(発光ダイオード)、電気信号を光信号に変換する半導体レーザ、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池、光信号を電気信号に変換する光センサなど、電気以外のエネルギーや信号が絡むものです。

力学的な動きを取り入れたものもあります。

これはこれで非常に重要な産業分野なのですが、本資料ではこれ以上は扱いません。

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