半導体デバイス製造の全体的な流れ
EDAツールの助けを借り、またDFMのことなども意識しながら設計が終わると、いよいよ半導体製造過程に入ります。
この章では、その全体的な流れを概観します。
なお、半導体は種類も製法も数多いのですが、ここではシリコンを用いたNMOSタイプの半導体をフォトマスクを用いて作成するという、最も基本的な場合を例にとります。
まず用意する必要があるのは、LSIの土台であるシリコン・ウェハーです。
そしてもう1つ必要なのが、設計したマスクパターンを元に製作されるレチクルと呼ばれるフォトマスクです。
これはこれからウェハー上に生成すべき回路の原版のようなものです。
両者がそろったら、(狭義の)リソグラフィというステップに入ります。
すなわちウェハーに酸化膜やフォトレジスト膜を成膜させ、そこにステッパという投影露光装置で、レチクルのパターンを光学的に焼き付けるのです。
銀塩写真でネガに光を当てて印画紙に画像を焼き付けるのに似ています。
パターンが焼き付けられたウェハーに対し、エッチングという操作をすると、そのパターンにしたがって腐食する部分とそうでない部分とが現われ、結局腐食しなかった酸化膜が残ります。
そこに不純物を添加して半導体としての性質を高めたり、スパッタリングという手法で金属を薄膜化させたりします。
この、「フォトレジスト膜~別のマスクパターンでの露光~エッチング~不純物や金属膜」というパターンを、広義のリソグラフィといいます。
通常はこれを数回~数十回繰り返します。
ここまでが前工程(拡散工程)といわれる部分です。
次に後工程ですが、通常大きなウェハーは複数のチップに相当するので、ダイシングという作業をそれをチップごとに切り分けます。
個々のチップをリードフレームという基板にマウントし、ワイヤボンディングという技法でチップと基板を電気的に接続します。
それをパッケージにモールドし、外部端子となるリードを成形してほぼできあがりです。


