リソグラフィとレイリーの式
次は狭義のリソグラフィすなわち露光ステップです。
フォトマスクを作る際には電子ビームを使いました。
リソグラフィでも電子ビームを使うことはありますし、X線なども利用されますが、基本的に使われるのはレーザです。
それによりマスクのパターンが相似的にウェハー上に投影され、それに従いフォトレジストを変化させる(溶かすまたは固める)わけです。
つまり原理は非常に明快なのですが、課題は何といっても解像度です。
デザインルールが65nm、45nm、32nmと微細化していきますが、たとえば可視光の波長は500nm前後です。
波長以下の精度が決して出ない、というわけではないのですが、細密化するにつれてそれに見合う解像度を確保するのが難しくなるのは確かです。
実際にどのくらいの解像度になるのでしょうか。
ややアバウトなところはありますが、物理学や数学を援用して説明します。
重要なのは、光は回折という性質を持ち、リソグラフィのような微小領域においては、それがまさに本質的な役割を果たすということです。
回折してきた光を扱う時に、光の進んできた距離における、波長より極端に小さい差というものは意味がありません。
したがって、レンズにはある程度の大きさが必要なのです。
どの程度かというと、その端において、図の左上の赤い部分と青い部分が区別できる程度ということです。
別の言葉でいうと、赤い点線と青い点線の長さの差が、実質的な波長に比べて短すぎないということです。
実質的な波長というのは、真空中における波長を光が伝わる媒質の屈折率で割ったものです。
その条件を数学的に変形していくと、右下の条件が得られます。
これをレイリーの式といいます。
逆に図の左下のように非常に小さいレンズの場合、赤い部分と青い部分とはもはや分離できないわけです。
θが小さすぎるので、よほど大きなPでないと分離できない、つまり分離できる距離が長い(解像度が低い)のです。


