シリコン・ウェハー

前章でおことわりしたように、ここではシリコン基板によるMOS半導体を考えます。

その場合のスタートとなるのが、ウェハーと呼ばれるシリコンの円状(または四角形)の板です。

その上にマスクパターンに従い、酸化膜や金属を載せていくことになります。

シリコンは周期律表IVB族の元素で、単結晶(単一の結晶)、多結晶(つぎはぎの結晶)、アモルファス(非晶質)などの形態をとりますが、一般的にいってLSIに望ましいのは単結晶です。

単結晶シリコンは高効率太陽電池にも使われますが、LSI用のものはその中でも高純度のものが求められ、イレブンナインすなわち0.99999999999という純粋さです。

その製法を説明します。

自然状態でシリコンは二酸化シリコンとしてケイ石などに含まれています。

そのケイ石と炭素とを電気炉で溶かし、たとえば以下のように還元します。

SiO2+2C→Si+2CO。

そこから純度98パーセントの金属シリコンを抽出して砕き、それと塩酸とを反応させてシラン系ガス(トリクロロシランなど)を作り、それを水素で還元・熱分解し、多結晶シリコンを成長させます。

こうしてイレブンナイン純度の単結晶シリコンインゴットができます。

その多結晶シリコンを1500℃程度で溶解し、円柱型の容器内でゆっくりと回転させながら引き上げます(引き上げ法)。

ここで不純物を加えてp型あるいはn型の半導体にすることもあります。

次にその円柱形のインゴットを、ダイヤモンドを用いて、あるいはワイヤソー(ピアノ線と切削砥粒液)を用いて、薄くスライスします。

そして片面または両面を機械で研磨してウェハーのできあがりです。

ウェハーというのはかなり巨大で、現在の主流は直径が300ミリメートル、2012年からは450ミリメートルとなる見込みです。

一方実際に個々のLSIに入るチップはずっと小さいので、1枚のウェハーから複数のチップを得ることになります。

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